何となく日々は過ぎていく/こたきひろし
最終バスに乗っかって帰宅した。
彼か疲れた足で自分の部屋に入ると間もなかった。お隣の部屋から住人が出て来ると
そのまま彼の部屋のドアを叩いたのだ。
夜にすいません。ちょっとお伺いしたい件が有るんですがよろしいでしょうか?
女の声が言ってきた。隣は母親と成人した娘の二人住まいだった。母親と思われる声音が声をかけてきた。
はい?
一言、彼は返事はしたが直ぐにドアを開けるのは躊躇した。
用件は何でしようか?
恐恐に聞いてみた。すると女は言った。
外で話すのは気が引けますから開けて貰いませんか
と言ってきた。ただ事でない空気を感じた彼はドアを開けた。
お互い会話したのは初めて
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