この素晴らしき世界/ホロウ・シカエルボク
 


リーズナブル、ハイブリッド
手荷物無しの使い捨て
利便性を追求し過ぎて
人生がスカスカの野郎ばかりだ
いつか、いつか
お前の脳味噌だって
取り換えが利くようになるだろう
電極を仕込んで
目覚めも眠りも思いのままさ
効率的生産と体調管理を繰り返し
そのうち自分の名前にも必然性を感じなくなるだろう
名刺なんか要らない
お前らの個性なんかどこにあるんだい?

俺は誰にも教えを乞わない
誰一人俺の人生を批評することは出来ない
そろそろ棺桶に片足を突っ込みそうなこんな歳になっても
俺は自分を貫き通すためだけの人生を歩いている
めくらのような正直さと堅実さが二着で
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