四行詩/道草次郎
 
言葉でなくて
石を拾う
このことばには
重量があります


宇宙の蝶番に
薬指を挟みました
いたわっているところに
風鈴が鳴ります


鳶を見下ろす
鳶はいない
そういう思想を
自分は持ちます


木枠ばかりを集めます
絵もない
意味もない、いや
意味は枠ですか


シュウメイギクが
そよいでおりました
風の詫び状で
また鼻をかみます


詩集を借りました
良い重しです
用途をその詩人は
やさしく定めませんでした


この四行詩を
買ってください
そういう病気を
自分は抱えます

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