ルナシャイン/道草次郎
 
Let It Beを聴いている
洗われるような月夜に
秋桜のうなじに宥められる感情を見つめ
救われることを厭うな自分

数知れぬ思いとどまりと
白茶色した破滅への甘えがある
絶え間なく誤魔化してきた
ついた嘘が枯草のように転がっていく

Let It Beを聴いている
砕けた梢は拾えばいい
ゆびに宿った子らの寝息に耳を澄ませる
絆されていく時間よ

消去できない連絡簿
あの日の暗い動悸は今もまだ
呑めないのにそう
飲んで酔った死の思い出も

ゆるされていくのか
音楽にだきしめられてゆくのかどこまでも
シミたれ方も分からずに
聲の編み方すら遺失したままに
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