初めての夜に/こたきひろし
号国道をクルマで走っていた 買って間もない安物の中古車だったから運転には慣れていなかった
それよりも何よりも免許取って半年もたっていないハンドル操作は自分自身が不安に煽られるものだった
勿論 それは助手席に座っている女にもひしひしと伝わっている筈だった
終始落ち着かない様子だった
ネェ何処か休めるところでゆっくり休憩していかない?
甘えているような甘えていないような切羽詰まっているような声音で言ってきた
そしておまけを付けるみたいに続けた
二人だけになれる所でかまわないからさ
運転する事に必死になっていた私でもその言葉は聞き逃さなかった
だから確認の意味を込めて聞き返した
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