7つの朝と補遺/道草次郎
 
すか。自然がそんな面倒な二分化を好むならば自然は阿呆でしょうか。生きている「だけ」、です。この、「だけ」も要りません。生きている。これも無い方がいい。空。まあ、こんなところで落ち着きましょうか、じつに、黒い白色などありますまい。


第五朝「数の概念」

それまで、と、それから。どちらの学問がいいでしょう。基準は単に時間軸のみではありません。迷ったらとりあえず、「と」の学問である数学をオススメします。


第六朝「接点」

ほんものの哲学者が詩人でないなどということがあるのですか。或いはほんものの詩人が哲学者でないなどということが。


第7朝「気付き」

何万匹もの虫たちが夜の間中ずっと鳴いていました。そのあいだに一体何匹が死んだことでしょう。にもかかわらず、虫の鳴き声は虫の鳴き声のまま。あの鳴き声とは、いったい何なのでしょう。




補遺の朝「セルフィ」

蝶々がひらひら
おっと比喩で捕まえないで
鏡が嫌いなくせして精神の自撮りの
まあ
好きなこと




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