皆さん、秋ですね。/
道草次郎
トンビ飛ぶ空には秋の白の月
山国の盆地を侵す波のおと
腹の音響いて天の猫笑う
奈良漬の塩の上がりと半月板
虫達の叢だらけ善光寺
蛍かと思えば着信宵の秋
雲一つ鼻腔につまり暮れなずむ
星月夜ナツメ電球すらも消し
問えばこそかかる命の萩となる
海鳴りのもれでる先に耳朶二つ
揺れながらガウラは風に踊子に
百日紅夜そのものにもたげ咲く
うらうらと春でもないのに蜆蝶
電柱に触れば秋の底となる
暗がりは常に半分昼の嘘
川柳がホットミルクで猫は秋
戻る
編
削
Point
(3)