命題 他/道草次郎
 
。郷里の見慣れた山肌、その淀んだ渓流を想うようにそれを想う。川に流れるのは水(H2O)でなくても構わない。メタン(CH4)だかチタン(Ti)だか知らないが、そんなものでも適当に流れていればよろしい。想う事が観測だ。

そんな具合に喰い続けている宇宙の言霊を。その言霊は、苦くて甘くて辛くてしょっぱい。だから、地球産と変わらない。その変わらない事がすなわち妙。宇宙の言霊は、本質的に通底のもの。

つーと言ったらかーと啼く。そういうものが本物で、言語学者は失職の憂き目に遭う代わりに、古来万古不易のがくもんへと墜落できるから、却って幸せ。尤も、どうせ奴らはネオだとかポストだとかいう、ナチにも郵便受
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