逢魔が時/TAT
 
 俺があの人に初めて遭ったのは、大阪は西成にある手本引の賭場だった。見た瞬間に、あぁ俺はこの人の子分になるんだなと直感で思った。二十三の時だ。そして盃を呑んだ。アメリカの双子ビルに旅客機が突っ込んだとか何とか、世の中がガタガタ言ってた年だ。
戻る   Point(1)