本当の夢の光り/mizunomadoka
 

彼らはボイジャーの言葉で神と名乗った
次々と人工衛星が落ちていく
そして太陽が消えた

ホテルだったと思う
ベッドの上で
「きみの夢はなに?」
と彼女が言った

僕は
「アカネと結婚してずっと一緒にいたい」
と答えた
困った顔をされたんだと思う

しまった。大きなことを望みすぎた。
嫌われたらどうしよう。言わない方がよかった

だから
「星が好きだから、星を作る人になりたい」
と言い重ねた

「それいいね」
と彼女は笑った

数年後、僕は
この星の半分をシールドで覆う計画の
観測部門にいた

巨大なエネルギー波が近づいていた
高軌道ネットの間を貨物シャトルが過ぎていく

完成すればこのバリアの光も
いつかの誰かの星になるかもしれない






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