朝 (他六篇)/道草次郎
土の上に
コンクリートと木の板を
敷いて
暮らしている
「安住」
眠くて
全部
なくしてしまった
くやめるほど
それは
確かでなかったが
代わりに
空っぽの青空が
デスクに
贈られてきた
「ユウゼンギク」
友禅菊が
小窓に飾られた
秋なのだ
青紫色のこまかな
花びらは
舌状花と呼ばれる
一枚ずつ
数えてみると
計三十二枚
ほんとうにかほそくて
見ているだけで
秋のよう
筒状花とされる
真ん中の
黄色い部分は
こじんまりした
控えめな
蒲公英みたいだ
秋には
ちょうど良い春という
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