明け暮れ/道草次郎
開かれた心は
ふんだんに流入する
……
これがしか?
しらしい
し
など
未だ書かず
かけず
何故それに拘る
拘るふりしかないではないか
つねに意識的であるつもりか
ピエロだよ
揺れる心があるだけだよ
それが
お前にとってのしなら
それもまあいい
読む人は
その人なりに読む
お前のしは
お前のものじゃない
しは
べつに所有されない
しが
ころんとあるだけだ
ちょうど
宇宙があるように
し
と書く
し
と書ける
なぜか
その事がうれしい
シ
とも
そして詩
とも
ああ
こんなにも
ぼくは囚われている
たぶん
ずっと前からだ
これを
破棄すべき指を
ぼくは
ついぞ持ち得ぬ
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