オンア/プル式
 
っていつ以来なのか声に出して笑って
コウヒイに浮かんだ目玉焼きの油みたいに
月の光は砕けて彼女の中できらきらと綺麗だから
二人で家の近くの波打ち際の波の音と歌って
僕はそんな歌で眠れない
だめだよって言えないままで沈黙が怖いから
オルガンを聴きたくなって

誰か
時計の針を戻してオンアを連れてきて
僕の手の中で笑っているから
月とカクテルになって
波の中で泡に溶けて消えてしまったから
モノクロノ海の中で
ゼリーフィッシュもあったもんじゃない

誰か
オンアに
口づけを
静かな
口づけを。
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