夢の中でさえも失恋/桜蜜
 
夢の中でさえも

わたしはあなたに失恋してた


その綺麗な瞳に少しでも映してほしくて

必死にあなたの気を引こうとしたわたしが

唇から溢れさせた言葉は陳腐なものばかり

柔らかく微笑むあなたの視線の先には

ダレカが居て


夢から覚めたわたしの頬が濡れていたのは

夢の中でさえもあなたに見つめられることは無いんだって

思わされてしまったからじゃない

とっさにわたしが紡いだ言葉があまりにも空っぽで

安売りの棚に並んでも誰の目も向かないモノばかりだったから

こんなんじゃ

どこへ行ったってあなたがわたしを見つめることはないね
戻る   Point(1)