詩人/道草次郎
 
たり寄ったりなのだろう。同類を卑下することは自分を卑下することなのだ。

政治というのがどれほど大事かと思う。昔のギリシャの哲人が政治家を兼務していたことはものの道理だと思う。年をとった人が国のことを考えていくのはとても自然なことだし、それを受け入れていく営みには素直なあたたかな心がたぶんあるのだ。

ぼくは知ってはいるけれど、分かっていない。自分が会社にもう一度頭を下げにいき、再就職し、社会にもっと関心の目を向けることが何よりもナチュラルであることを。

しかしすぐには変われそうにはない。そんな自分がここに存在している。ぼくはただ特別な理由などなく会社のあの雰囲気が恐いからどうしても行きたく無いだけなのだ。それ以上以下であるはずはない。

事実はいつだってそうしたものだ、別に残酷でも大げさでもなく。

こういう当たり前過ぎることを言うためにぼくはこの散文を書き始めてしまったのだと、今、改めて思った。

だから、間違ってもこの散文に詩を差し挟む余地など全く無いのだ。



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