眩瞑/あらい
眩瞑
氷菓子の浮力に勝てないから僕らは無意味に海に投げ出したまま、海月と出店の金魚を天秤に架けた。芒が空を掃除するなら今でも曇り空は描かれ、自由に泣いて暮れる陽に天の格子は充たされている。
虹の彼方に往く為には の小噺だろう。
例えば氷菓子の積み木で透けた4畳半のささくれをも彩図かせる深爪の合間に漏れた破れ目の襖からの喘ぎや、祖の灯に孵る残照の欠片とか、そんな安っぽい塗り絵みたいな原型が。
そういえば 御伽の国に気体が詰まった希求が 何処かしこへ、
君に似合っていて、軽々しく持ち運ばれた明日は、
おもちゃの荷台に連れて電池が切れるまで走り続けたりできるように。
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