残熱/道草次郎
の入浴介助を週二回行なった。特別に改造されたリフトと洗い場はどれもUさん自身が設計したもので、介助者の負担を減らす工夫が至る所に施されていた。ぼくは不器用なこともあり、比較的簡単な首下の洗いとリフト操作を担当した。
今思えばよくホームヘルパーをやっていたと思う。元々大雑把な性格だしやれと言われたことは人よりずっと不器用にしかできない。慎重さや細やかな気遣いを必要とされるこの仕事をどうして何年も続けて来られたのか、未だによく分からない。
ぼくはしょっちゅうUさんに叱られた。ぼくが何度も何度も同じ失敗を繰り返すからだ。「お前はそれだからいつまで経ってもだめなんだ」とよく言われたもの
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