あかるくなりたい/道草次郎
 
くつとめるように、と。「ただしくおもい、ただしく心をとどめていた」抜き差しならない状況下において心をとどめること。そんな考えが汗で濡れたトイレットペーパーにこびり付き、指をいよいよ苛んだ。


{引用=明るいというのは
あきらめること
若しくは
諦めるとは
あきらかならしめること
闇を照らすのではなく
闇に目を慣らすこと
輪郭を把握し
次のステップへかんがえを押し遣ること
とまってはならない
とまってはならない
風に
かぜに身を
風のなかに
身を
おく
尿意にしたがい
世界の血圧を下げること
ここではなく
あそこへ
どこかへ
いな
どこかではなく
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