延長戦/ただのみきや
 
書かれたものを消すことで自分もまた消えて往く

生きることが命の摩耗と同義なら
何等かの存在意義を付与しなければならない

誰かの何かの痕跡を消し続けること 
だが何も消さずに無闇に己を消費することだって

自殺は出来なくても無益な生は可能という訳か――
消しゴムについて考えていた



                      《2020年8月29日》









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