夏の終わりに咲いた薔薇/viraj
 
現に惹かれるのはそのためだ。



名誉は昼の世界だ。



エロスは夜だ。



昼に夜の深さがわかってたまるかよ。名誉とは実に、愛の失敗によって起こる。



10年これまで、男としてがんばって昼の世界で生きてきたんだよ。



そろそろ女にならしてくれよ。



嗚呼、彼女は愛そのものであった。



処女だって!



処女とは、内的純粋性をさす言葉である。



聖なる性奴隷。



彼女の献身の思いは、身振り一つ一つに表れていました。



知の世界から、愛の世界を見渡した。



まるでがけを覗くように身震いした。



なんと無防備で無知でそれでいて完全なんだろう。



失われない知恵に回帰するには、知を捨て、あらゆる防衛を捨てなければならないのだった。




なぜそれをするのか?



それがよりリアルな世界だから。


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