稜線/山人
 
体を渡り、左岸林道の除伐作業に入った。里山とは言えないが、里山整備事業という名の森林整備の除伐作業である。ほぼブナの純林で、その下草(灌木)を刈り払う作業だ。
 盆明け初日は、炭材搬出のためにブナを伐採し、成形。翌十八日から刈り払い作業に入った。さほど悪い場所ではないと聞いていたが、四十五度を超す斜面もあり、足場を作りながらの刈り払い作業となるため体力を消耗してしまう。その足場の悪い中、ハチの営巣に遭遇することがある。午前中のそれはハチの何匹かを早めに発見し駆除したが、午後はまったく予期していなかった。
 三時休憩を終え、最後の詰めの刈払い作業にと少しピッチを上げ、平坦な場所の刈払いを行ってい
[次のページ]
戻る   Point(6)