夜の始まりに甘いケーキを/ホロウ・シカエルボク
 
ったのか」「どうして死んだ」と、俺は犬に二度話しかけた、犬は感情を完全に隠匿した目をして、ただ舌を垂らしてリズミカルに呼吸していた、俺は携帯を取り出して警察に連絡した、面倒臭いなと思いながら…玄関に腰を下ろして、犬の頭を撫でてやった、犬は嬉しそうに目を細めた、玄関の灯りをつけたかったけれど、それに照らされるもののことを考えるとやめておいたほうがよさそうだった、犬は短く、小さな一度声で吠えた、夢でも見てんのかな、そんなふうに考え始めたころ、パトカーのサイレンがどこかから聞こえてきた。



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