夢幻の話/道草次郎
トが中空の禿鷲の内臓へ位相転移するように、それらはただ、それらの動機にしたがい動機それ自体が目的でもあるかのように振る舞うことで、郷愁めいた摩訶不思議な自壊を保つのみなのか。たしかに新しい太陽は雫のなかでさわさわと滅びている。そして、風は骨組織の不可視の空洞でむなしいダンスを踊り続ける。マントルは地球内部で恋人を捜索しながらも、プレートテクニクスに神聖をみている。野の花は予め監獄を内在し、故に死は所詮透明な薔薇だろうか。銀河に延びる蝸牛のツノは渦状椀を鷲掴みに……
「忙しい貘の話」
さて、人が夢を見るのはたぶん、こうした不分明な思想の一切を神のペットたる貘に喰わせるためだろう。あいにく貘もなかなか繁忙なので喰いにも来てくれないようだから、こうした不可解な世迷いごとがいじらしくも表現行為の一辺境である斯かるネット詩界隈に瀰漫する事とあい成るのだ。
「ありきたりな結語」
ゲップ、か暇つぶし。
ひとえに神=脳の企みは、これではなかったか。
「∞」
赤い月夜をめぐってなお赫く
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