春休みの宿題訴訟/星 ゆり
ちなんで、もしも、である前に
観察するだけのキャットファイトを
虫の温かみで、あざ笑ってみせよう
高熱のオクターブで赤ペンを溶かして
番犬をレンチン、はっかの匂いがするのだ
葉脈のふちにぶらさがる下着を
朝が焼けるまで、名づけないで
ナイトマーケットの灯りで先生、ばれるなら
ひめゆりの塔で
一緒に最後のミスタードーナツ食べようよ
病交じりの調停人、うなじが檸檬の形して
本当はみんな家に帰る気持ちでいっぱい
優しくて殺したいから、そこが心っぽくなるの
百円玉くらいの重みでまどろむから
カエルの皮膚にも保湿してあげたい
たてがみのすきま風に、火の手が増した
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