sonnet/朧月夜
 
涙は滴り落ちてゆく、ワインのように、
それは血染めであったかもしれず、
わななく明日への希望に彩られて、
炎天下で悛改していた。

懺悔は懺悔たらず、
後ろ向きに何を見つめても、
咎以外の何をも見いだせなかった。
この海をゆくような感情は、いつまで続くのだろうか。

明日を愛せないのであれば、今日を愛せば良い。
昨日を愛せないのであれば、今日を愛せば良い。
慈しみは遠く消えて、我が身を捨ててもあるもの、

過去と想い出はいつかどこかへ落としてきた。
すでにもう我が人ではないのだと、思いながらも、
往く夏は信じるべきもので満ち溢れて、孤独を祀り。
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