Terminal Frost/ホロウ・シカエルボク
 
話じゃない、そういう感じがした、一昨日の印象的な夢を思い出すような感覚だった、いやな確信が静かに忍び寄って来るのを感じた、途端、俺はそのボールに詩を書くのにちょうどいいくらいの血を吐いた、体温が急激に下がり、冷汗が全身に溢れた、ボールに零れそうなほどに注がれた血液は、俺の呼吸に合わせて揺れた、なんだっていうんだ?俺は息を切らしながらその先に目をやった、あれほど鮮明に刻まれていた血で書かれた詩は、その欠片すら見つけられないくらい完全に消え失せていた。


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