休日/山人
 
立ち入れる状況ではない。しかし、そこを走ってくる軽トラックが二台居た。地元のキノコ愛好家の方々で、夏から初秋にかけて収穫できる幻のキノコを求めて入るという事であった。その荷台に途中まで載せてもらい、彼らと別れ作業に入った。
 作業中にイタヤカエデの皮が?けたところにミヤマクワガタが数匹樹液を求めて集っていた。アリも多く他の甲虫もいた。イタヤカエデからメイプルシロップが抽出され、それを狙ってイタヤカエデに多くの抽出液を搾取する用具を見ることがあったが、やはり虫たちにとっても御馳走なのだろう。甘味などあるかないかという微妙に水に近い味ではあるが、彼らにとっては甘露のようなものなのだろうか。そう言えば
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