炎天の下には/こたきひろし
 
。その間に何度、身を投げて仕舞おうかと思ったか分からない。
現実から逃避したかったんだよな。

だけどさ。嫁さんの母親が死ぬ間際に言われていたんだ。
「娘を頼みます」
そのお願い事に、私は承知したんだよね。

それを支えに踏ん張りながら生きて来たんだよ。

ありがとうお義母さん。貴女の言葉は私を強くしてくれました。

今年の九月に家のローン完済します。
この五年私はけして良い人では有りませんでした。
この五年私は人に言えない汚い方法も使いました。

それでも生きて来たんだよ。
それでも生きて来れたんだ。

女性には関心のない振りを装っています。
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