歴史/千波 一也
 

祈りの数と同じだけ
祈らずじまいの人もあろう
頑なに
従順に
知らぬ間に
祈らずじまいの人もあろう

ねえ、言葉が在るのは幸せなことかな
その掌に
この掌に
言葉が在るのは豊かなことかな
誇れることかな
秀でたことかな
確かなことかな

不思議におもえることは幾らでもあるのに
いつからだろう
それを
認めることが恥ずかしくなった
迎えることが煩わしくなった
守ることが恐ろしくなった
いつからだろう
不思議におもえることに
刃を向けるように
なったのは

探し物、とは
こころに忠実に動きまわること
もしくは
知らぬ間に与えられた素敵なプレ
[次のページ]
戻る   Point(4)