歴史/千波 一也
祈りの数と同じだけ
祈らずじまいの人もあろう
頑なに
従順に
知らぬ間に
祈らずじまいの人もあろう
ねえ、言葉が在るのは幸せなことかな
その掌に
この掌に
言葉が在るのは豊かなことかな
誇れることかな
秀でたことかな
確かなことかな
不思議におもえることは幾らでもあるのに
いつからだろう
それを
認めることが恥ずかしくなった
迎えることが煩わしくなった
守ることが恐ろしくなった
いつからだろう
不思議におもえることに
刃を向けるように
なったのは
探し物、とは
こころに忠実に動きまわること
もしくは
知らぬ間に与えられた素敵なプレ
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