モノ・クラゲ/吉兆夢
 

ひとりなみまにゆれている
ときおり
すれちがってゆくうきだまに
ふれることなく
みおくる
きょりで
ゆれて
ゆれる
びにーるのなか
すなをしく いすをおく
ぱらそるのかわりに
まっしろいかさを 
ひらいて かくして そうやって
うすく
うすく
はりつめてゆく





     *





彼岸の帰省を先回りした台風五号に迎えられ
夜明け前のバイパス道路を軽トラックで蛇行する
途中寄ったコンビニのポストは、からん、と乾いた音がしたけど
宛先の滲んだ残暑見舞いはどんなふうに届くのやら
窓を開けて荷台を見やれば
君にもらったコンビニ
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