即興曲/こたきひろし
 
詩は底無しの沼だ

一度足をとられると
一夜が眠れない夜も来る

私の心の何処かに
掘られた運河

水が溢れて
堤防が決壊した

私の知らない街が
洪水に飲まれても

私の詩は底無しの沼だ

私は首まで水に飲まれながら
苦しみもがかなくてはならない
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