フラグメンツ カタログNo.91〜120/AB(なかほど)
我が子にその意味を問われました
111
足早に
ものかけの実をひとつ齧って
家へ帰る
112
と鼓動がまた少しだけ速くなって
みんな飛んでけ
とんぼかげろうこおろぎ彼岸花
113
おばあは笑ってた
おばあは笑ってた
あのしわしわずるいと思った
114
本当はもうとっくに思い出してるよ
差し出された干し柿は
とても甘く
115
もう静かに積もりはじめているのだろう
流してしまうつもりの気持ちは
静かに包み込まれて
116
一口食べてどうにも
一日の終わりに
気持ちの方だけしょっぱい
117
僕
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