イザベラのこと 4/ジム・プリマス
 
 新学期が始まる前の部屋替えが始まった直後に、気が付くことになったのだけど、灯台元暗しの言葉どうりで、朝食の時、食堂でいつも会っていたイザベラが、何日も食堂に現れず、ずっと、気を揉んでいた僕だったけど、なんという偶然だろう、その彼女の居場所が、五階にある僕の部屋の、隣の部屋だったのだ。それは、その時の僕にとっては運命的な附合に思えた。
 それに気が付いた時も運命的だった。僕が部屋から出てドアを閉めると、偶然、隣の部屋のドアからイザベラが出て来て、二人とも部屋が隣同士だということに、その時、初めて気が付いたのだった。驚いたけど二人とも喜んで、お互いの手を取って、両手で握手したのを今でも覚えている。
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