単細胞生物のイブ/あらい
モノノケ準え、型紙だけが戯けている
薄情な者ですが姿だけを残していきます
そのうち、枯れるでしょうが
煌びやかなリネンの死体袋に
薄紅の陽の欠片を加護めた
面影を散らした数、樅木の鐘が鳴ります
梳いた紫陽花の首と一生添い寝して
夏の夕立に合わせて、沈みましょか
吹き溜まりの祀り櫓と、ときに解ける
薄ら寒い粉雪が 風花と狂い咲く
動き出したことを示した 足跡。
うらみつらみの澱が涙に愁い
吹きっさらしの風に背を押され
溺れ死んだ。おかあさんはどこにいるの
培われて行く世界とは うらはらな心
壊されて逝く未来と重なり合う
明るく陽に照らされ透けて、生きる
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