夢/道草次郎
後悔した、青リンゴでも投げればよかったと。中学生のぼくはラブレターを書いていた。引き出しをあけると、小さな鍵があった。その鍵でもう一つの引き出しをあけると、顔の部分だけが切り抜かれた同級生の女の子の写真が入っていた。小学六年生のぼくは、精通を経験した。会社から帰ってきた父親がぼくにどうしたんだと訊く。ぼくは適当に誤魔化してトイレへと駆けた。クジラになったぼくは、もう1匹のクジラのガールフレンドと一緒に夜の海を泳いでいた。そこが太平洋の真ん中だということはなぜか分かっていた。水っぽい不安を下半身に感じたぼくは夢の中で目覚めると、今度こそはと希い、もう一度奈落へと落ちていった。
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