イザベラのこと 1/ジム・プリマス
れが彼女との最初の出会いだった。
それからは寮の中庭で偶然、会った時に、彼女の前で身振り手振りで待っているように頼んで、部屋に急いでとってかえして、友人にもらった柿を沢山あげたり、彼女が風邪を引いたと聞いた時は百元分の、大きな買い物袋いっぱいのお菓子(ビスケットやチョコレートやアメ)を買っておいて、それを渡そうしたら、今度はアカサカサンという僕と同じ時期に留学していた、僕より十歳年上の日本人の女性から、イザベラと同室のロシア人の友達に頼んで、イザベラにお菓子を渡せるようにとりなしてあげると言われた。
アカサカサンとロシア人の女性とイザベラの間で、どんな話があったのかを僕は知らない。でも数日してアカサカサンに食堂にくるように電話で呼ばれて、僕が食堂に着くとアカサカサンとロシア人の女性とイザベラが、四人がけのテーブルに腰かけていて、僕はイザベラの向かい側の席に座るように勧められた。
それから四人で食事をした後で、買っておいたお菓子をイザベラに渡して、僕とイザベラが挨拶を交わしたら、僕とイザベラはどういうわけか、そのまま、お付き合いをすることになっていた。
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