山国の車窓より 〜中央線沿線/道草次郎
 
の日、あの時に出逢ったさまざまな人たちは未だにぼくの中で煮え切らぬまま燻っている。

下りの電車が終着駅を目指すように、ぼくもまた、この人生を最後まで走り続けねばならないのだろう。途中下車することはいつだってできる。それまではどうか早まらないでおけよ、何かがそう耳打ちしている気がする。

でも、時々はこうやって車窓からの景色を懐かしく見ることだって必要な気もする。どこか寂しげな山国を走る電車に揺られていると、ふとそんなことを考えてしまうのだ。}


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