目の前の現実に視線を合わせる/ジム・プリマス
 
僕は思い出す
やんわりとした断りの返信が
返ってくることを予感して
僕は目の前の現実に
視線を合わせる
そうすると
普段は意識の外にある
脳裏の中の雑多な絶望が
首をもたげてくる
それは
明日からの生活に必要な金だとか
まだ支払いをしてない自動車税とか
これからかかる固定資産税とか
昨日の食べ残しのチキン・ソテーとか
だったりする
げんなりしながら
新しいタバコに火をつける
アルカロイドが
身体に浸透する感覚に
意識を合わせながら
また詩の中の夢想に
落ちてゆく
この感慨はまた
一つのつたない
詩に変わるだろう


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