目の前の現実に視線を合わせる/ジム・プリマス
 
今日も
意識を想像の海に遊ばせて
精神の懐かしい場所に
ゆっくりと降下してゆく
そこに見えるのは
青色の巨大なアステカ蟻の行進
それは僕の意識の辺境まで
延々と続いてゆく
空には金色の木蠹蛾の群れ
それは僕の意識の頂点から
ひらひらと降りてくる
時間はとどまることなく
流れ続けてゆく
ふと気づくと
窓の外の風景は
夕闇から宵に
移り変わっていた
我に返って
辺りを見回せば
煤けた部屋の中でひとり
宵闇の中にとり残されている
そこではパソコンの
モニターの光だけが
白く浮きあがっている
突然
イザベラに
日本へ来ないかと
メールしたことを
僕は
[次のページ]
戻る   Point(4)