歩くことひとつにしたって語り尽くせるようなものではない/ホロウ・シカエルボク
値しかない、次の道、別の道のことを思いながら、一歩一歩を確かに踏みしめるんだ、そこに在るものだけがすべてじゃない、必ず知らないものがある、無限にある、だからこそこうして躍起になって微先を動かしているんじゃないのか、知っていることだけを偉そうに喋るのなら新聞の投書欄とたいした違いはない、知らないことがまだあるって俺は叫んでいるんだ、すべてを知ることは出来ない、なるべく知りたいのさ、出来得る限り、可能な限り…果てしのないものだからこそ追いかけたくなるんじゃないのか?俺は歩く速度を上げる、少しばかり早く歩いたところで帰り着く時間なんかそんなに変わりはしない、だけど、そう―何回も言わせるなよ、あらゆる汚れは真実を覆い隠す、俺はそいつを洗い流したくてウズウズしてしょうがないのさ―。
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