歩くことひとつにしたって語り尽くせるようなものではない/ホロウ・シカエルボク
い理由なんかない、だからこそ、なにかすごくシリアスなことが必要なんだって―不調に振り回された週末は思いのほか穏やかで、そうさ、力づくで手に入れなきゃいけないことはたくさんある、嘆きは一瞬魅力的に見えるけど…明と暗、善と悪、赤と黒…あっちとこっちでしか話せないやつが多過ぎる、俺は明であり暗、善であり悪、赤であり黒さ、そのすべてを行き来している、そのすべてを含むものの話をしている、限定されれば本物らしく聞こえる、でもそれは簡潔なだけでなんの意味もない(夢物語の一環ってやつさ)、赤色の話をするならすべての赤について話さなくちゃ本当じゃない、でもそんなことなかなか出来ない、だからこうして躍起になって指先を
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