題名が思い浮かばない/こたきひろし
れていたかな
文学少年と怖れられていたかな
そんな訳ないよな
虐められて
はぶかれている毎日だった
だけどさ
人の一生って不可思議なんだよな
何処をどうやって今に至ったのか
思い出せないんだよ
嫌な事は極力忘れて
良いことばかり思い出にしてきたんだよ
どんな風に生きたって
生きていたって
全ては泡と消えるんだって
老人になって
ひしひしと感じてきたら
全てが阿呆らしく思えて
クヨクヨと悩み苦しむなんて
止めたくなったんだ
人生は余白ばかり
そして時が来れば
全部白紙に戻るんだからさ
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