エリオット「伝統と個人の才能」/藤原 実
 

「それ[伝統]は相続するなどというわけにゆかないもので、もしそれを望むなら、ひじょうな努力をはらって手に入れなければならない。伝統には、なによりもまず、歴史的感覚ということが含まれる。これは二十五歳をすぎてなお詩人たらんとする人には、ほとんど欠くべからざるものといっていい感覚である。」
   (T.S.エリオット「伝統と個人の才能」深瀬基寛訳/「世界の詩論」(青土社))


筒井康隆の小説「文学部唯野教授」のなかで唯野先生はエリオットの伝統主義を、
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「だいたい経験主義の印象批評やるひとみんなそうだけど、エリオットもまあ、自分がたまたま詩人だもんだからさ、詩を書く
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