他者への手紙/道草次郎
から
しかしそんなぼくにも
ぼくは傷ついてしまう
そんな
ぼくにぼくは
ホトホト呆れて
それでも
ぼくの度し難さについて
また考える
この
ぼくが
けっきょくのところ
ぼくにはぼくしかなくて
ぼくはぼくとの距離の
とり方を
一生をかけて勉強していくのか
それが生きるって
ことかしら
それが人間て
ものかしら
なんてひとりごとを言ったり
ああ
ここにいたって
初めて思う
ぼくでない
ぼくの入子構造の外にある
「あなた」
に
ぼくは
逢ってみたいと
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