魔の清算 1(対話編)/アラガイs
、高校生の、きみらが17才の誕生日を迎える年の春先。あの薄暗い公園での出来事を。 男は手のひらを何度も返しては手相を眺めていた。
‥出来事? 出来事って、 ひょっとして喧嘩をした‥‥?。 何故あのときのことを、この中年の男(果たして刑事なのだろうか?)知っているのだろう。
‥‥‥そうだよ。あのときの喧嘩だよ。きみらは何人居たのかな。相手は確か二人だった。覚えているだろう? まあ、喧嘩というよりも一方的にきみらが殴られた。しかし手を出さなかったんだな。きみらは。人数も勝ってたのに。いや、出せなかった。 それは、どうしてだい?
狐に憑かれたような、いや、わたしの背後に纏わり付いてきた悪魔が、記憶という画面を通して何かを思い出さそうと企てていた。
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