失ったモノはたくさんあるけど/ジム・プリマス
 
失ったモノはたくさんあるけど

落ちてくるイタミは数えきれないけど

降りかかる悪意は背中を刺すけど

愛は遠く遥か彼方に離れているけど

転がっている挫折にはまってばかりだけど

現実的な絶望はこの身から離れないけど

それでもなんとか生きている

孤独でストイックなゾウのように

わき目をふらず静かに歩いてゆこう

頭上で青く輝いている月にお礼を言って

足元に咲いている小さな花に挨拶をする

世界を巡ってきた夜風が頬を撫でる

今夜も天球と地球は回転する

僕の踏み出す一歩とともに

天球と地球へ精神と身体が繋がった実感が

なんだか調子はずれの僕をも希望へと誘う

そこには確かなリアルが存在している

そのリアルは僕の目の前に立ちはだかる

真っ黒な深淵を照らす金色の灯になる


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