火性の足跡が凹地に広がって/アラガイs
 


最初に狙ったのは豚野郎でした。次に手を汚したのは芋野郎です。鍋に蓋をしてお釜で煮込めば消えました。お粥はいいなあ。茶粥には甘藷の薩摩芋。甘い芥川塩!コンニャク芋ではござりませぬ。蝗の佃煮。味噌は汁では飲まない習慣。小エビに木耳山嵐。烏賊と白菜鶉に筍。醤油で肉を炒めて豚の八宝菜は天国へ参りまあす。黄門天国ではさすがに嘘はつけませんから、辛みは一味でいいでしょう。どこに隠れていたのかカイワレ見当がつきましたよ。じっと耐えてきた。献立は廃油まみれの黒酢と蝙蝠傘を立て掛けた空き缶なのですね。それを手にしたのは貧乏なご老人でした。老人には三人の子供がいて七人の孫が育っています。栗栗栗片栗粉/人工調味
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