早贄/
ただのみきや
たを内から突き破る
抗わないで委ねなさい
頑に閉ざしていた貝が開けば
美のウェヌス ならぬ
血のカーリー
それも一驚 あいや一興 さあ
舌を伸ばして笑ってごらん
詩だけ残して
あなたは刻々と脱ぎ捨てる
至極当たり前に
抜け殻を集めて
並べてみる それは
光を透かし また返し
影を映し また歪め
微かな相克に震えつつ
薔薇のように刻々と
あなたは脱ぎ捨てる
見えない果実に至るまで
《2020年7月25日》
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