しずく指す先/木立 悟
 




見えないものが膝の上に居て
明けてゆく空をみつめている
むらさきの径 つじつまあわせ
陽を呼ぶ声 目をふせる声


指のすぐ上を廻りつづける輪
まばたきすると赤くにじむ輪
遠くを巡る星の輪もまた
指の動きのかたちを描く


話しかけてくる水に
応えてはいけないと思っていた
径をあける草にも
服に触れる闇にも


雨に追われ
追い抜かれる日々
何かから隔てられた
静かな朝


機械の力で世界を観て
小さなひとつを視ることがない
息苦しい涼しさのなか
手のひらの重さを思い出す


川に紛れる 水に似たもの
流れの傍らをふと振
[次のページ]
戻る   Point(2)