サムライ天国ニッポン/こたきひろし
大小の刀を二本も腰にさしていては、さぞかし歩きづらいし、走るとなったら駆けづらいだろうなって
常々感じていた
士農工商の身分制度の中でいちばんに位置していても、その暮らしぶりは窮屈で自由じゃなさそうだしさ
俺がもしあの時代に生まれていたらサムライになんてなりたくないな
もっとも俺は百姓家の次男坊だから、士農工商の上から二番目なんだよな
あの時代に生まれていたらの話だけどさ
その時代の農民はひどい暮らしをさせられていたからさ
幾ら上から二番目でもなりたくはないな
サムライから米を容赦なく年貢に取り立てられて、不作に見舞われたら餓死したって言うじゃないか
そんな時
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